2024.10.18: Bernstein "Trouble in Tahiti + A Quiet Place"

舞台の上の窓が開き、三人のシンガーが歌う。オペラでなく現代音楽の歌い方。オケにはドラムセットがあり、バーンスタインの音楽は裏拍を多用してるし。この三人は上手上空(みえない)にも頻繁に現れては歌う。

紫の幕があがると、舞台にはベットがあるだけ、男女が離れて眠っている。妻Dinahが起きて食事をもってくると夫Samが目覚める。トーストとって、自分でとれば。コーヒーが苦い、などと文句を言うと、妻がキレて、浮気してるくせに、なんて屈辱と。妻が今日は息子の芝居があると言っても、夫は自分の趣味を優先。妻は精神科に払う金が足りないと。

夫は金を投げつけ、後で話そうと言って出勤。妻は食器を壁に投げつけ、息子が静かにネクタイを持ち去る。自殺しないため?庭で出会って愛し合って結婚したはずなのに。

次のシーン、上手で夫は椅子に座って電話をかけている。友人に金を貸す約束をして、医者のアドバイスを断る。下手では妻が落とした食器を片付ける。

夫が会社を出ると道端ででかける妻に鉢合わせる。二人で食事をするより、互いに嘘をついてその場を離れる。

夫はボクシングジムで鍛える。彼は勝負事が大好き。

妻は買物袋をたくさん持ち帰る。一人でみた映画「Trouble in Tahiti」はひどかったらしい。旅先での恋に思いをはせるが、子供がみていることに気づいて我に返り、夕食の準備をする。夫が帰ってくるので。

夜、妻がベットで寝ていると夫が来て、話をしないのかと。でも話し出さないので、妻が喋り出すと、お前が話してたら自分が話せないと、本当に面倒臭いやつだなあ。妻は息子の芝居に行かなかった。夫は映画でも見に行こう、「Trouble in Tahiti」はどうだと。それは妻が昼間に見て面白くなかったやつだが、何も言わずに行くことにする。silver screen magicにたよって二人は抱き合う。

心理劇で面白いけど、ちょっとしつこい。休憩。

STAFF & CAST

自動車事故の音。幕があがると葬式で、中央に黒い棺桶があり、椅子が並んでいる。黒い服の弔問客がやってくる。精神科の医者の妻がうるさい。声の高い女はSamと死んだDinahの娘のDedeで、テノールFrancoisと結婚している。

葬儀屋がせかすと、医者が弔事?を読み始める。本からの引用ぽい。

遅れてショートパンツの男Juniorがやってきて、みな絶句する。1幕のかわいい男の子がこんなことに。Francoisとは同性愛の関係だったらしい。キチガイじみたことを言うと、隅で泣いていた老人Samが起こる。Samは棺桶について泣く。葬儀屋が棺桶を開けると白髪のDinahがみえる。

みなが去ったあと、Juniorがネクタイを取り出し、母の棺にむかって泣く。切ない。このシーンは非常によかった。が、ここからが長かった・・・

家族はSamの家に来た。ダブルとシングルのベットが一つずつ並んでいる。

Samがダブルベットで遺品の整理をしていると、Dedeがきて母の服を着ると、似ているのでSamは泣く。

FrancoisがシングルベットにJuniorを寝かしつける。

一人になったSamが遺書を読む。

翌朝、みなでゲームをしているとゲイがきて、Samが家族として受け入れる。

ゲイがDinahの遺書を読む。自殺だった。

彼女の遺品を積み上げて捨て、みなで慰め合った、ような。

STAFF & CAST

前半は緊張感のある心理劇で非常によかったのだが、後半は無駄に長くて集中力がきれた。後半は作曲家の妻の死後に書かれたので暗いのか。音楽も前半の方がよかった。まあでも見てよかった。バーンスタイン作品としては、WNOの「Candide」には叶わないけど。


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